10 2024 /

税理士コミュニティの概要とメリット

税理士コミュニティの概要とメリット
タックスドーム・ ジャパン

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税理士業を始めると、さまざまな問題や課題が浮かび上がることがあります。独立する税理士は事業主なので、相談できる相手が限られるケースもあります。そんな中、税理士コミュニティは、こうした悩みを共有し解決するための場として機能しています。

そこでこの記事では、税理士コミュニティの概要やメリットなどについて詳しく解説します。

税理士コミュニティの概要

税理士が関与する可能性のあるコミュニティには、いくつかの種類があります。

  • 税理士試験の受験生の交流を目的とするコミュニティ
  • 税理士同士の交流を目的とするコミュニティ
  • 税理士と経営者・個人事業主の交流を目的とするコミュニティ

これらがその代表例です。

「税理士試験の受験生の交流を目的とするコミュニティ」では、受験生同士が試験勉強に関する情報を共有し合うだけでなく、合格者がアドバイスを提供することもよくあります。

「税理士と経営者・個人事業主の交流を目的とするコミュニティ」では、専門的な知識を持つ税理士が経営者、個人事業主に対して税法に関する情報を発信し、SNSやオンラインサロンを通じて交流を深める姿がよく見られます。

そして、「税理士同士の交流を目的とするコミュニティ」では、新しく独立した税理士が経験豊富な先輩にアドバイスを求めたり、開業を目指す税理士が同じく開業した先輩に準備について相談したりする場面が見られます。同業者同士が交流することで、経営に関する悩みや情報を共有し合うことや、異なる専門分野を持つ同業者とのつながりを通じて質問や案件の紹介が行われることもあります。

税理士コミュニティの形態

コミュニティの形態としては一般的にオフラインコミュニティとオンラインコミュニティがあります。この章ではコミュニティの形態について説明します。

オフラインコミュニティ

オフラインコミュニティは、参加者が実際に集まり、ディスカッションを行う場を指します。この形式はオンラインコミュニティに比べて、準備コストがかかりますし、取り組むのも手間がかかることが課題です。

具体的には、場所や時間の制約があるため、集客に工夫が必要である点がデメリットです。また、会場の確保や資材・資料の用意など、担当者の負担が大きい点もデメリットです。一方で、実際にユーザーに直接会えるため、親密な関係を築きやすいという点がメリットと言えるでしょう。しかし、「取り組みのしやすさ」という点では、オンラインコミュニティより不便であると考えられます。

税理士同士の交流を目的とするコミュニティの形態は、かつては主に対面で行われるオフラインのものが主流でした。通常、地元の税理士会に所属する税理士仲間との交流が中心で、同じ地域で働く税理士同士が情報を共有することが一般的でした。しかしこの形式では、他府県で事務所を開いている税理士とのネットワーク構築が難しく、同じ営業エリアや業務内容を持つ税理士との関係が親密になりすぎて負担になるケースもありました。特にオフラインのコミュニティに所属する税理士は、競合関係にある可能性が高く、自身の悩みや相談事を気軽に共有することが難しい面もあると言えるでしょう。

オンラインコミュニティ

最近ではインターネット環境が整備され、SNSなどのサービスが広まったことにより、オンライン上での関係構築が容易になりました。これにより、他の参加者と近い場所で業務を行っていなくても、気軽に交流できるような環境が整いつつあります。

具体的なオンラインコミュニティの例としては、「SNS」や「オンラインサロン」が挙げられます。どちらのコミュニティも、税理士などが情報を共有し、意見を交換する場として利用されています。「SNS」では参加者同士が自由に知識や経験を共有しますが、「オンラインサロン」は、サロンの主宰者が主導して運営しています。

特にSNSではユーザー同士で自由なコミュニケーションが可能ですが、オンラインサロンは主宰者とサロンメンバーとの交流の形がある程度限られているコミュニティと言えます。

なお、オンラインサロンの運営方法は主宰者やサロンの趣旨によって異なり、税理士同士の場合は、積極的な交流によって、事務所の経営などに関する情報を共有することがあります。一方で、税理士と経営者・個人事業主が参加するサロンでは、主宰者である税理士が中心となり、専門的な知識をサロンメンバーに提供することが一般的です。

昨今のオンラインコミュニティの広がり

この章では昨今のオンラインコミュニティの広がりについて説明します。今日のビジネスにおいてコミュニティは非常に大きな意味を持つ存在です。

コミュニティは競争優位性を形成する

税理士事務所だけでなく、企業が自社ブランドの一環としてオンラインコミュニティを築く動きが広がっています。ハーバード・ビジネス・レビューの記事においては、セールスフォースの国際的なコミュニティが企業の成功に寄与しており、同様に他の成功企業もコミュニティの力を活用している実例が紹介されています。

コミュニティが優れたビジネスモデルを生み出す

なぜ、ビジネスの成功にはコミュニティの構築が重要なのでしょうか。コミュニティの構築は優れたビジネスモデルを生み出し、卓越した競争力を得ることができるとされています。

その具体的な理由は以下の3つです。

  • コミュニティに熱心なメンバーが新規顧客の獲得に寄与し、顧客獲得コストを削減し、強力な口コミの拡散が実現するから
  • メンバーはコミュニティから離れにくくなり、顧客の維持率が向上し、顧客生涯価値が向上するから
  • メンバー同士が協力することで、カスタマーサービスの経費が削減され、利益率が向上するから

コロナ禍においてクライアントの意識が変化した

ユーザーの立場からオンラインコミュニティについて考えてみましょう。

今後、オンラインコミュニティプラットフォームの市場規模が拡大していくと予測されています。 この背景には、もちろん、新型コロナウイルスの影響があります。直接対面できる機会が減ったため、ユーザーはその代替としてオンラインコミュニティを利用していくであろうことが予測されます。

ただし、これはコロナ禍のみにおける一時的なブームだけではなく、新型コロナウイルス以前からのユーザーの意識自体が変化したことによる予測でもあります。

コミュニティは今もっとも取り組む意義のあるマーケ施策の一つ

オンラインコミュニティは、単に「ネット上でユーザーが交流する場」としてだけでなく、2020年代のマーケティングの焦点となるべき事項であると考えられています。税理士としてもオンラインコミュニティの重要性を無視できない時代であると言えるでしょう。

オンラインコミュニティのメリット

今日のビジネスにおいて大きな意味を持つオンラインコミュニティですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。この章では、税理士がコミュニティの運営側として関わる場合と参加者として関わる場合の双方の視点から説明します。

運営側として関わる場合のメリット

まずは、税理士が運営側として関わる場合のメリットを説明します。

クライアントの本音をキャッチしてニーズや不満を把握できる

税理士はオンラインコミュニティで、クライアントの本音やニーズを手軽に把握できます。個々にオフラインでアンケートを取ると手間や費用がかかりますが、オンラインコミュニティではクライアントが自発的に意見を共有してくれる傾向があるため、クライアントのへのヒアリングがスムーズに行えます。熱心なクライアントが集まるオンラインコミュニティなら、多彩で有益な意見が寄せられるでしょう。

クライアントのロイヤリティを高めることができる

オンラインコミュニティにおいて、税理士とクライアントが密にやりとりすることは、クライアントのロイヤリティを向上させ、結果的にクライアントを熱狂的なファンに変えることができるケースがあります。

クライアントのロイヤリティは信頼や愛着を意味し、長期的な信頼関係の構築に不可欠です。クライアントのロイヤリティの向上は、クライアントがサービスに支払う金額を増加させることに寄与します。例えば、関連のサービスを同時に受けること(クロスセル)や、より高額なサービスを受ける(アップセル)などが挙げられます。

また、高いロイヤリティはサービスへの強い愛着を示すものであり、購入頻度(リピート率)も自然と高まります。これらの成果により、クライアント単価の向上に繋がります。

サポートのコストを削減できる

オンラインコミュニティを活用することで、カスタマーサポートのコストを削減することが期待できます。具体的には、ナレッジ共有コミュニティがその一環です。

たとえば、Googleが管理するGoogle検索コミュニティでは、日々様々なGoogle検索に関する質問が投稿され、ユーザーがその回答を提供しています。Googleは膨大なユーザー数を抱えており、これらの質問に一つ一つ直接対応することはコスト的にも難しいです。しかし、オンラインコミュニティ上でユーザー同士がお互いに問題を解決してくれることが、サポートコストを削減する一因となっています。

参加者として関わる場合のメリット

税理士がオンラインコミュニティに参加者として関わる場合には、以下のメリットがあります。

同じ価値観を持つ仲間とつながれる

同じ価値観を共有する仲間と出会えることも、税理士が参加者として関わる際の重要なメリットです。オンラインコミュニティは単なる情報交換の場に留まらず、共通の価値観を持った人たちが結びつく場としての機能を果たします。

学びの場として活用できる

オンラインコミュニティは、学びや出会いの場として活用できます。新しい知識を学べるコミュニティに参加することで、自分のスキルアップが可能です。個人としての成長やスキル向上も、コミュニティ参加の魅力の一環です。同じ興味を持つメンバーが集まるため、学びの場としてだけでなく、新しい人との出会いの場としても有益です。

オンラインサロンを運営する際のポイント

この章では、自分でオンラインサロンを運営しようと考えている税理士の方に向けて、注意すべきポイントを説明します。

高品質なコンテンツ提供

オンラインサロンを運営するために最も重要なことの一つは、コンテンツの質を向上させ、価値ある情報を提供することです。価格が手頃でも、コンテンツが付加価値を持たないと、参加者は興味を持たず離れていってしまいます。

サロンメンバーにとって、月会費以上の価値があると感じさせる情報を定期的に提供するよう心がけましょう。また、更新頻度も重要です。特に、何かを学びたいと考えるメンバーが集まるサロンでは、高品質な情報を頻繁に共有することが必要です。

密なコミュニケーション

サロンメンバーは、サロンオーナーの投稿に反応したり、コメントを返したりします。質問のスレッドがあれば、積極的に質問も投稿してきます。投稿が多くなると、全てに応じるのが難しいかもしれませんが、できるだけ早く返信するなど、頻繁なコミュニケーションが肝要です。

他にも、サロンメンバーが投稿した内容に対してコメントするなどのアクションを起こすことも、コミュニケーションを深める有効な手段です。

定期的なイベント開催

Zoomを使用してのイベントや対面のイベントなどを企画して、コミュニケーションを密に築くことも大切です。外部の講師を招いて勉強会を催すのも一つの手段です。こうしたイベントを通じて、サロンメンバー同士のつながりも強化されます。メンバー同士の交流が増し、快適な雰囲気を醸成することも、サロン運営において重要な要素です。

居心地の良い環境の提供

サロン内には、時折、場を乱すような人が現れることがあります。また、サロン内で派閥ができ、新規参加者がなかなか馴染みにくい雰囲気になってしまうこともあるでしょう。こうした問題が発生しないようにするには、サロン内の状況をしっかりとコントロールする必要があります。

特に新メンバーがどのように参加すればいいのか迷うことがないように、ガイドラインを設けたり、フォローアップを行ったりすることが大切です。

オンラインコミュニティの留意点

様々なメリットがあるオンラインコミュニティですが、デメリットもあります。この章では、オンラインコミュニティの留意すべき点に焦点を当ててみましょう。

別途集客が必要な場合がある

近年はオンラインコミュニティが増加し、激しい競争が広がっています。このような状況では、商品やサービスを提供するだけでなく、オンラインコミュニティへの集客も重要です。SNSはオンラインコミュニティとの相性が良いため、積極的な情報発信が不可欠です。

運営には費用や手間がかかる可能性がある

オンラインコミュニティは、「人を集めれば終わり」というわけではなく、継続的にコンテンツを提供し続ける必要があります。コンテンツの質が低下すると、集まったメンバーが離れてしまう可能性があるため、コンテンツ作成に追われることもあります。また、メンバーが多いほど運営にも手間がかかるため、運営側の負担についてもしっかりと事前に考慮しておくべきです。

参加者を取り残さない

コミュニティを盛り上げるには十分な熱量が必要ですが、運営側の熱量だけが高すぎるとユーザーがついていけず、逆に遠ざかってしまうことがあります。コミュニティを運営する際は、ユーザーや周囲の反応を確認しながら適切な熱量で進めることが重要です。

早急に成果を求めない

運営側がコミュニティ運営で成果を求めることは理解できますが、急激な成果を求めすぎると、運営者とユーザーの期待がかみ合わず、ユーザー離れを招きかねません。成果には時間がかかることを理解し、着実に確実に運営を進めましょう。

成果に固執しすぎない

コミュニティを運営する以上、コミュニティの成果に焦点を当てて考えるケースもあるでしょう。しかし、サービスを一方的に押し売りするようなアプローチでは、ユーザーを引き付けることは難しいです。コミュニティは運営者とユーザーが共に関与し、双方向で価値を共創する場であるべきです。ユーザーと対話を行うことを重視しましょう。

まとめ

税理士同士のコミュニティは、従来はオフラインで閉鎖的な空間が主流でしたが、現在ではインターネットの整備によりオンラインでのオープンな環境が一般的になっています。

結果として、税理士は異なる地域で活動する同業者と簡単につながり、自身が求める知識やノウハウを吸収できる機会を広げることができます。また、参加するコミュニティによっては新しいアイデアや知見に触れ、視野を拡げることもできます。

コミュニティには有料と無料、さらにテーマや活動方針の違いがあり、自身のニーズに合ったものを選んで、事務所経営に積極的に活かしていくべきであると言えます。

そして、税理士コミュニティの運用においては税理士同士もしくは事務所とクライアントが連携・連絡を取り合うプラットフォームとなるTaxDome(タックスドーム)に代表される、クラウド型の業務管理ツールを活用することが実用的でオススメです。

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