2025年9月に開催された 「会計事務所博覧会 2025」。
士業や会計事務所向けに最新のDXソリューションやクラウドサービスが一堂に会する国内最大級の展示会の中で、ビルブリッジ株式会社によるTaxDome活用事例の紹介セッションは、多くの参加者の関心を集めました。
本記事では、そのプレゼンの内容に加え、TaxDomeブースで行われたインタビューの内容も交えながら、導入前の課題から導入後の具体的な改善効果までを詳しくご紹介します。
導入企業に関して
ビルブリッジ株式会社では、「経営者のおかん」という業務伴走型支援サービスを展開しています。“(地元で)いっちょ前”の経営者を目指される創業期から成長期中小零細企業を中心に、コンサルティング+バックオフィス支援と幅広く支援しています。
単なるコンサルティングにとどまらず、税理士や会計士などの専門家と連携しながら、日常業務の運用から意思決定支援まで一貫したサポートを提供できることが同社の大きな特徴です。
また、大企業やIPOを目指す上場準備企業ではなく、地域に根ざした中小企業に特化していることも同社の特徴のひとつであり、中小企業の「社長一人では手が回らないバックオフィス」を仕組み化することで、経営者が本業に専念できる環境を作り出しています。
登壇者が語る現場導入後の手応え
会計事務所博覧会2025のミニプレゼン企画で、「経営者のおかん」の事業責任者である仲渡(なかと)さんより、TaxDomeの事例紹介を頂きました。
同サービスでは、顧客約40社の業務支援をしており、建設業や運送業、飲食業といった地域に根ざした事業者をはじめ、全国の幅広い中小企業と日々向き合っています。単なる経理処理や事務作業にとどまらず、経営者と直接面談し、現場の課題を吸い上げながら業務改善を、同サービスならではの伴走型で支援されています。
そうした日常の実務を通じて感じた課題と、TaxDome導入後にどのような手応えがあったのかについて、具体的に語って頂きました。業務フローのどこでつまずきが起きやすいのか、顧客とのやり取りでどのような工夫が必要か、そしてそれをシステム導入によってどう改善できたのか。当日来場された士業や会計事務所の担当者の方々が、自らの業務に置き換えて考えられるような、とても実務感のある内容でした。

導入前の課題:分散ツールの限界
「経営者のおかん」では、TaxDome導入前、業務ツールが分散する課題を抱えていました。具体的には、顧客との連絡にはメールや「LINE」「Chatwork」を使い分け、ファイル共有には「Dropbox」「Google Drive」、契約には「契約大臣」を利用といった具合に、用途ごとに異なるツールを組み合わせて運用していました。
一見すると便利なクラウドサービスを駆使しているように見えますが、実際には複数のシステムに情報が分散し、最新のファイルがどこにあるのかが分かりづらくなることが多発。やり取りの履歴も複数のチャンネルに散らばり、担当者以外が状況を把握するのは容易ではありませんでした。さらに、各タスクやプロジェクトの期限管理は担当者毎の面談記録やカレンダー入力に依存していたため、資料回収の遅延やタスクの抜け漏れの発生が起こりえない環境であるとはいえませんでした。仲渡さんは、TaxDomeを取り入れる前の業務環境をこう振り返りました。
ツールを上手く使っているつもりでも、結果として業務の効率を下げてしまっていた。
— 仲渡さん

TaxDome導入で変わった3つのこと
1. オールインワン化による業務プロセスの統合
導入後の手応えとして強調されたのは、「バラバラだったツールを一元化できたこと」でした。具体的には、次のような業務が、TaxDome上で統合されたようです。
● 顧客管理:顧客情報・契約状況・案件の進捗をすべて一つのプラットフォームで確認可能に。
● チャット・メール:これまで別々のアプリやデバイスで行っていたやり取りが、顧客ごとのスレッドに整理され、履歴を見失うことがなくなった。
● ファイル共有:DropboxやGoogle Driveなど複数のストレージを横断する必要がなくなり、アップロードから共有までがシンプルに。
● 契約書の送受信:高価な電子契約専門ツールを使わずに、TaxDome内で契約書の送付、電子署名、保管までが完結。
● 請求書の発行:経理担当が別システムに入力する手間がなくなり、自動的に顧客ポータルへ反映。
これらが、TaxDome上で一元化されたことで、「情報がどこにあるのかを探す時間」が大幅に削減したとのことです。
以前は、ファイルがDropboxにあるのかGoogle Driveにあるのか、あるいは担当者のPCに残されているのかを確認するために数十分かかることもあったといいます。
どの資料がどこにあるか一目で分かる。これだけで担当者の負担は大きく減りました。特に繁忙期には、この“探す時間”が削減された効果を実感します。
— 仲渡さん
これらは、一見小さな効率化の積み重ねですが、担当者全員に波及することで組織全体の生産性に直結したとのことです。
また、顧客とのやり取りが一本化され、連絡、資料やり取り・契約・請求等がすべて同じ場所で管理できる安心感は、スタッフだけでなく、同社のお客様にとっても大きなメリットになっていると感じているとのことです。

2. 自動リマインダーで提出漏れ防止
次に手応えとして挙げられたのは、自動リマインダーの効果です。
導入前は、顧客に対して「今月も提出をお願いします」といった依頼を担当者がメールやLINEで手動送信されていました。忙しい時期には連絡の遅れ、連絡の重複や漏れが発生する懸念もあり、業務の信頼性を損なう要因となってたようです。人の記憶やカレンダーに依存する管理では、どれだけ注意しても抜け漏れを完全に防ぐことは至難の業です。
導入後は、このプロセスが大きく変わったと言います。決算期や顧客ごとに異なる提出物のスケジュールをあらかじめ設定しておくことで、システムが自動的にリマインド通知を発信します。通知はメールや顧客ポータルを通じて届けられ、担当者がいちいち手を動かす必要がありません。
以前は「いつ催促の連絡を行うか」を常に気にかけていましたが、TaxDomeでは一度リマインドの設定をすれば、自動でお客様に通知がされます。手作業の負担がなくなり、提出漏れや遅延のリスクも格段に減りました。
— 仲渡さん
さらに、「通知の頻度」や「再送の回数」も柔軟に設定できるため、提出が遅れている顧客には複数回のリマインドを自動で送ることができます。
自動リマインダーの仕組み化によって、担当者は「誰にいつ声をかけるか」という雑務から解放され、より付加価値の高い顧客対応やコンサルティング業務に集中できるようになったとのことです。

3. パイプライン管理による進捗の見える化
3つ目として、パイプライン機能がもたらした効果を強調されていました。
導入前は、業務の進捗を担当者それぞれが頭の中で把握していたり、Excelやメモで個別管理していたため、全体像をチーム全員が共有するのは難しい状況であったようです。
例えば、ある顧客の案件が「資料回収の段階なのか」「入力が完了してチェック待ちなのか」を正確に把握できるのは担当者本人だけで、他のメンバーは口頭確認をしなければ分からないケースが多々あったといいます。
TaxDomeのパイプライン機能では、こうした業務フローを カード形式、リスト形式、カレンダー形式等、さまざまなスタイルでわかりやすく可視化できます。
● 「資料回収 → 入力 → チェック → 納品」といった流れを視覚的に表示
● 各案件の進捗がひと目で分かり、滞っている箇所も即座に特定可能
● コメント機能を活用することで、社内スタッフだけでなく、外部の税理士・会計士といった専門家ともシームレスに連携が可能
特に効果的であったのは、複数案件を同時に抱えているシーンだったとか。従来は担当者ごとに進捗管理の方法が異なり、繁忙期には「誰が何をどこまで進めているか」を把握するだけで会議が長引くこともありました。現在では、パイプライン画面を一目見れば案件の状態が分かるため、打ち合わせ時間が短縮され、対応の優先順位付けも容易になっているとのことです。
また、進捗が共有されることで、顧客への対応もよりスムーズに。以前は「どこまで進んでいるのか?」と聞かれた際に、担当者がその場で確認する必要があったのに対し、今ではパイプラインを参照するだけで即答できる体制を築けているとのこと。
さらに、TaxDomeのお客様専用ポータルに、お客様目線による進行中の各案件の最新ステータスを表示できる機能があります。こういったかゆいところに手の届いた機能を活用していることもあり、お客様からの進捗確認のための連絡は、ほぼ無くなってきているため、パイプライン管理による「仕事の見える化」は、単なる業務効率化にとどまらず、チーム間の連携強化や顧客対応品質の向上につながる重要な仕組みとなっています。

顧客にとってのメリット
社内の効率化にとどまらず、顧客に対しての利便性と安心感の提供も、TaxDome導入による大きなポイントのひとつです。
● 専用ポータルによる一元化
顧客はTaxDomeのお客様専用ポータルにログインするだけで、資料の受け渡し、進捗確認、連絡、契約、支払いといった、同社とのすべてのやり取りを行えます。「どこに送ればよいか」「誰に確認すればよいか」と迷うことがなく、常に同じ場所にアクセスすればよいことは、顧客にとっての大きな利便性となります。
● チャット機能によるスムーズなやり取り
顧客は、TaxDomeのお客様専用ポータルを使い、同社とチャット形式で連絡を取り合うことができます。LINE等のチャットツールとは違い、テーマ・トピックごとにチャットスレッドが自動作成。「連絡が別々のツールに分散して分かりにくい」や「どのような連絡を行ってきたかの確認が大変」といった不便が解消され、コミュニケーションが大幅にスムーズ化します。
● セキュアな資料提出と受領
重要な契約書や決算資料も、暗号化された安全なポータル経由でやり取りされるため、メール添付や外部ストレージ利用時に懸念されるセキュリティリスクや誤送信の心配がありません。
お客様専用ポータルに、弊社からのサービス提供が集約されているので、顧客とのやり取りがとてもシンプルになりました。結果として、各お客様との信頼関係がより強くなったと感じています。
— 仲渡さん
このように、TaxDomeは顧客にとって 便利さ・安全性・透明性 を提供する仕組みとなり、従来の「複数ツールを行き来する煩雑さ」を解消します。その結果、顧客によるサービス体験の質が向上します。

TaxDome:士業DXのグローバル・スタンダード
顧客管理や資料共有、契約や連絡手段がそれぞれ異なるツールに分かれることで、業務は次第に複雑さを増していきます。最新版の資料がどこにあるのか分からない、必要な資料の回収が遅れがちになる、担当者以外が進捗を把握できない──こうした非効率は、業界全体で広く見られる課題です。
ビルブリッジ株式会社「経営者のおかん」における取り組みでは、TaxDomeを導入することにより、これらのやり取りがすべてひとつのツールに集約されました。顧客とのコミュニケーションから請求や契約、資料の提出・受領までが同じプラットフォーム上で完結し、業務の流れは格段にシンプルに。担当者はツールを行き来する必要がなくなり、本来の付加価値業務に集中できるようになりました。顧客にとっても「どこにアクセスすればよいのか」が明確になり、安心して同社に案件を依頼できる関係性の構築に繋がっています。
今回の導入事例については、多くの事務所が抱える課題解決のヒントになります。
また、業界ならではの業務スタイルに最適化されたDX業務環境の構築は、同ツールが開発されたアメリカに続き、日本の士業・会計業界でも新しいスタンダードとなりつつあります。
ぜひあなたの事務所でも、その価値を体験してみてください。
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